Photon製品
一口にマルチプレイヤーやシミュレーションと言っても種類があり、ゲームプレイの品質およびパフォーマンスを最大限引き上げ、かつオペレーションコストを最小限に抑えるためには、それぞれ特定の機能セットやアーキテクチャを選ぶことが必要です。Photon FusionおよびQuantumは、モバイル・PC・コンソール・Web・拡張現実、さらには最新世代のスマートグラス向けのアプリを開発するための豊富な機能が組み込まれたSDKを提供することで、これらの要件に対応しています。
Photon VoiceおよびChatは、最新のゲームやシミュレーションにおける通信面をカバーし、PhotonのマルチプレイヤーSDKを完璧に補完します。
各製品に関する詳細情報は、ドキュメントの関連セクションをご参照ください。

製品選択ガイド(Photon Quadrant) - 適切なSDKを選択する方法
開発中のゲームに合うのはFusionか、Quantumかを判断するため、Photon Quadrantという製品選択ガイドを作成しました。マルチプレイヤーゲーム構築における4つのトポロジーを表しています。
適切なトポロジーを選ぶ際は、まずゲームプレイを基準に考えてください。ターゲットとするプラットフォームや本番稼働の運用コストも視野に入れて検討しましょう。すべてのトポロジーにおいてPhotonのコストは変わりませんが、専用サーバートポロジーでの本番稼働にはサードパーティのサーバーオーケストレーションが必要となり、追加費用がかかります。
| トポロジー | メリット | デメリット | ゲームの事例 |
|---|---|---|---|
| 共有権限 Fusion Sharedモード |
あらゆるプラットフォームに対応、モバイルおよびWebに最適、費用対効果が高い。チート対策およびカスタムサーバーサイドコード用プラグインあり(Enterprise Cloudの場合) | 競争性の高いゲームやeスポーツには不向き。チートのおそれ | Peak R.E.P.O. Polygun Arena Ratchet & Clank: Ranger Rumble |
| 決定論的予測/ロールバック Photon Quantum |
あらゆるプラットフォームに対応、モバイルおよびWebに最適、運用しやすい、費用対効果が高い、フレーム単位の精度が要求されるeスポーツに対応、Bot SDK内蔵でチートプルーフ。チート対策およびカスタムサーバーサイドコード用プラグインあり(Enterprise Cloudの場合) | 各クライアントが「完璧な情報」を保有している | Stumble Guys No Rest for the Wicked Lucky Defense Windblown World War Armies |
| 専用サーバー Fusion Serverモード |
フルカスタマイズおよびセルフホスティング可能な最も高性能なヘッドレスUnityビルド、Photon Cloudをリレーとして利用。チートプルーフ | 外部オーケストレーションサービスによる運用が複雑で高コストとなり、モバイルF2PやWebでは問題になりやすい | Prime Rush Breachers |
| クライアントホスト Fusion Hostモード |
費用対効果が高い、運用しやすい、高品質なゲームプレイが可能 | 接続が不安定なためモバイルには不向き。ホスト経由およびリレー接続によりゲーム品質が不安定になりやすい。チートのおそれ | Among Us 3D Davigo |
適切なFusionトポロジーの選択については、Fusionの技術資料のトポロジー選択ガイドでさらに詳しくご覧いただけます。
Fusion - ハイパフォーマンス状態同期
Fusionは、ベストインクラスのマルチプレイヤータイトルに欠かせない6つの必須機能を、すべてのトポロジーで提供します。
物理予測(Forecast Physics)
完全な物理シミュレーションを行わずにリアルタイムのインタラクションを実現し、CPU負荷を大幅に削減します。
一貫したゲーム時間
すべてのクライアント間で高精度に時間を同期し、一貫したゲームプレイを実現。時間依存のシステムも容易に扱えます。
ハイパフォーマンス
数百のクライアント接続にわたって数千のネットワークアクターを処理し、複雑なインタレストマネジメントにも対応します。
状態同期(State Replication)
Photon Cloud上でのハイパフォーマンスな状態配信。オブジェクト単位の完全な整合性、統合されたインタレストマネジメント(AOI)、オプションのサーバーサイド検証を提供します。
リモートレンダリング
ネットワークが不安定な状態でも、リモートのプレイヤーおよびオブジェクトをスムーズに表示します。
カスタムサーバープラグイン(Fusion Sharedモード)
検証・ルール・セキュリティを担うクラウドサイドロジックのオプションです。専用サーバーを運用せずに権限を追加できます(Enterprise Photon Cloud対象)。規模が拡大していくゲームをハッキングや不正から保護するための主要コンポーネントです。
対応エンジン
Fusionは主要なゲームエンジンに対応しています。
Fusion Sharedは、共有権限やプラグインを持たないあらゆるエンジンに新しい選択肢を提供します。
| ゲームエンジン | トポロジー |
|---|---|
| Fusion for Unity | Shared、クライアントホスト、専用サーバー |
| Fusion for Unreal | Shared - アーリーアクセス |
| Fusion for Godot | Shared - アーリーアクセスについてはお問い合わせください |
Quantum - 決定論的予測/ロールバックゲームエンジン
Quantumは、遅延が極端に少ないマルチプレイヤーゲームをUnityで構築するための、完全な決定論的ゲーム開発スタックを提供します。
Fusionのような状態同期モデルとは異なり、Quantumは決定論的予測/ロールバックアーキテクチャを採用しています。オブジェクトの状態を絶えず送信する代わりにプレイヤー入力のみを送信することで、すべてのクライアント間でゲームシミュレーションが完璧に同期された状態を保ちます。
Quantumでは、CPUやアーキテクチャが異なってもゲームロジックが同一に動作することが保証されるため、クロスプレイタイトルに公平な競争環境を提供できます。
ネットコード不要 - 決定論的シミュレーション
エンジンのレンダリング(ビュー)からゲームロジック(シミュレーション)をデカップリングすることで、Quantumは、同じ入力があればすべてのデバイス上で全く同じ結果になることを保証します。手動でのネットコード同期は不要になります。
ローカル物理の操作感 - 予測/ロールバック技術
Quantumはローカルのアクションを即座に予測し、ネットワークから競合が検出された場合は状態を自動でロールバック/再シミュレーションすることで、「遅延に悩まされない」プレイヤー体験を実現します。
高パフォーマンスECS
スピードを追求したフレームワークで、「Pure C#」で記述されたメモリアラインドECSを採用。標準的なマネージドコードのオーバーヘッドをバイパスすることで、モバイルハードウェアでも数千の同期エンティティや複雑な物理演算に対応します。
チート保護 - 専用サーバーのコストをかけないチートプルーフ
シミュレーションはすべてのクライアントで検証され、必要に応じてサーバーサイドプラグインでも検証されるため、「ステートインジェクション」チート(ヘルスやスピード値の改ざんなど)は決定論的エンジンによって根本的に排除されます。
PUN (Photon Unity Networking) - レガシー状態同期
PUN 2はメンテナンス/LTSモードでの対応となります。一部の修正を除き、今後の機能アップデートは予定されていません。既存のPUN 2プロジェクトは引き続き稼働します。新規プロジェクトにはFusionまたはQuantumをご検討ください。
Photon Realtime
Photon Realtimeは当社の低レベルAPIであり、複数のプラットフォームに対応するSDKとして提供されるクロスプラットフォームネットワーキングエンジンです。
Realtimeは、ルーム/ロビー、マッチメイキング、リージョン選択、メッセージリレー、クラウドWebhookなどの基本機能を提供します。
Photon Fusion、Quantum、PUN 2、Voice、Chatは、それぞれ独立した機能豊富な高レベルAPIです。いずれも基盤としてRealtimeを使用しており、自動スケーラビリティ・一貫性・セキュリティを備え、あらゆるネットワーク条件下で最高のパフォーマンスを発揮します。
Voice
Photon Voiceは、マルチプレイヤーゲームおよびアプリケーションにリアルタイムで低遅延の音声チャットを追加する、高性能SDKかつ「ボイス・アズ・ア・サービス(VaaS)」です。最新のOpusコーデックによるクリアな音声伝送を実現し、主要な音声モデレーションプロバイダーであるGGWP、Voice Patrol、ToxMod by Modulateへのサーバーサイド統合を提供します。
Chat
Photon Chatは、アプリまたはゲームにチャット機能を迅速かつ簡単に追加できます。パブリッシャー/サブスクライバーモデルをベースに、追加機能も備えています。スタンドアロンでも、他のPhoton SDKとの併用でも使えます。
主な機能:
- 無制限のチャンネルへのパブリッシュ/サブスクライブ
- Photonアプリおよびルームをまたいだメッセージ送信
- チャンネルへのテキストメッセージ送信またはプライベートメッセージの送信
- スマートメッセージの送信:ハッシュテーブル、ディクショナリ、文字列配列、整数など
- 信頼性の高いメッセージ送信
- メッセージの暗号化
- チャンネルごとのメッセージバッファ